その男中村俊彦は中学時代の仲間からとらさんとよばれる。実家が「とらや」という旅館だったというだけの話だ。中学の3年生のころお昼の弁当のとき男子はお弁当のおかずをひとつにまとめて一緒に食べることにしていた。そのとき一番になくなるのがとらさんのおかずだった。とにかく美味しい。プロの賄い飯だから際立っている。ご本人の口にはあまり入らなかったのではないだろうか?
そのとらさんが亡くなったとの知らせがおとといの夜入った。胃がんで全摘したとは聞いていたが最近の胃がんは付き合いやすい病だと思っていた。私のテニス仲間で胃を失くしても元気にテニスをしている人が何人もいる。それが再発して急死だという。
とらさんは酒が大好きだった。あの世でニコニコしながら酒を楽しんでいるのだろうか。